企業の内部監査と監査法人の外部監査との違い
企業の中で、内部監査を行う人を内部監査人といいます。または、監査部の○○さん、でしょうか。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)によると、
内部監査活動に従事する者を内部監査人という。
内部監査が有効であると判断されるためには一般に、内部監査人について、専門的能力と独立性が求められる。
と書いてありました。
要するに、企業の中では内部監査という仕事には、独立性が必要で、内部監査人(Internal Auditor)は専門性が求められるということだと思います。
内部監査人協会(The Institute of Internal Auditors, IIA)や、IIA Japanの位置づけである日本内部監査協会)では、内部監査人のための研修や、内部監査人が研鑽のために分科会やフォーラムを形成して継続的な能力開発が行われています。
外部監査人とは誰を指すの?
ところで、この監査という言葉、すぐに思い浮かべるのは監査法人、すなわち、会計監査のことですね。
財務諸表の適正性を監査する、会計監査のことです。
大企業であれば、決算が終わると、会計監査ファームによる監査を受けることになります。この財務諸表監査は上場企業にとっては、必須であり、決算と監査結果が世の中に開示されているのはご存知ですよね。
この結果をもって、企業の不祥事が明るみになっているのを、新聞やテレビで見かけることがあるでしょう。
会計監査ファームの監査人とは、会計士さんのことです。会計のプロ集団です。決算期の会計監査のほか、内部統制監査も行っています。
期末には、2-3週間会社に駐在しながら、監査をしています。決算数字や計算書から、証憑をチェックしたり、再計算したりします。それぞれが、独立した会計士ですが、チームを組んで企業の決算にあたります。
内部監査人とは、どんな人たちでしょうか。
この人たちは、社内で、独立した立場を求められるとはいえ、企業の従業員です。同期は営業部の○○さんであったり、資材部の△△さんだったりするわけです。
要するに、同じ会社から給与をもらっている会社の同僚です。
内部監査人は、会社の内情に精通しているため、プロセスを中心に、実情に合わせて深堀することができます。
数字から見える、不正や、非効率の兆候からだけでなく、カルチャーや歴史に基づいた慣習から、また、ヒアリングや、社内の噂から、オフィスで目にする光景から、いろいろな推測や情報の土台の上で、そのプロセスが適切であるかを判断できるということ。
さながら、状況証拠を固める探偵のよう??
これは、情報収集の基盤が違う監査ができる、内部監査人の特権なのです。
コメント
IIA内部監査の国際的能力フレームワークに関連して、内部監査人のソフトスキルについて調べていたところ、ソフトスキル・ラボを見つけ、拝見させていただきました。コンパクトにまとめられて、本質をついており興味深く読ませていただきました。大変ありがとうございます。
コメントをいただき、ありがとうございました。少しずつですが、コンテンツも増やしていきます。少しでも参考になれば幸いです。